農業者年金

目的

近年、わが国農業は食料供給力及び耕地利用率の低下、耕作放棄地の増大等の厳しい情勢にある中で、農村では高齢化が著しく進展しており、国民に対する食料の安定供給を確保するため、農業の担い手を確保することが重要となっています。

農業の担い手を確保するためには、農業者の生涯所得の充実を図り、農業を職業として選択し得る魅力あるものとしていくことが必要であり、この際、生涯所得の約1割程度を占めると見込まれる老後所得の充実を図ることも重要であります。

このため、新しい農業者年金制度は、農業者の老齢について必要な年金等の給付の事業を行うことにより、その老後の生活の安定及び福祉の向上を図るとともに、農業者の確保に資することを目的にしています。

メリット

  1. 積立方式が採用されたことにより、給付される年金等は自らが積み立てたものであるため加入者受給者比率に左右されない安定した制度であること、公的年金の二階建て部分に対し唯一国庫補助がある公的年金制度であること等があります。
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  3. また、若い農業者には、保険料負担が重くのしかかると考えられることから、意欲ある担い手に対して保険料に対する助成(政策支援)を講じることにより、このような者が経営改善に取り組みながら長期間営農を継続する上で相当の効果があると考えられます。

安全性

    (1) 財政方式は積立方式

    現行の農業者年金制度は、自らが積み立てた保険料とその運用益により、将来受ける年金額が決まる「積立方式(確定拠出型)が採用されています。

    この積立方式は、保険料を支払っている方の数や年金を受給している方の数がどのように変化しても影響を受けにくい制度で、少子高齢化時代に対応した長期的に安定した制度となっています。
    また、加入者の支払った保険料は、賦課方式ではその時々の高齢世代の年金給付に使われますが、積立方式では将来の自らの年金給付に使われるため、安心して加入いただけます。

    農業年金(積立方式)のイメージ

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    (2) 保険料など年金資金は安全かつ効率的な運用

    加入者が保険料を支払ってから年金を受け取るまでの間、農業者年金基金がその保険料や保険料の国庫補助金(年金資金)を運用して、将来の年金給付の財源とします。

    年金資産の運用は、農業者年金では農業者年金基金が一元的に運用しています。
    年金資産の運用に関する基本的な枠組みは、安全かつ効率的な運用を基本とした運用を行うための基本方針を作成し、長期にわたり維持すべき資産構成割合を設定して、複数の資産に分散投資しています。
    その年金資産の基本的な構成割合は、以下の円グラフのようになっています。

    現行の構成割合は、国内債券70%(±10%)、国内株式12%(±4%)、外国債券5%(±2%)、外国株式12%(±4%)となっており、安全性を優先しつつ、一定の利回りを確保するよう運用を行っています(期待する運用利回りは2.6%)。

    基本となる年金資金の構成割合

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    国内株式も、ある銘柄に集中することのないよう、東京証券取引所の株価指数である"TOPIX"と連動するように、約1,500の銘柄を組み合わせて運用しています。
    つまり、株式の平均的な市況が上がれば、農業者年金の保有する株式の価値も同じように上がり、市況が下がればそれに連動して下がるという運用をしています。

    このように、基本的に運用の枠組みをあらかじめ決めておき、それに従って、安全かつ効率的な運用に努めています。また、加入者が支払った保険料以上の年金を約束する元本保証はありませんが、以上のような安全かつ効率的な運用に加えて、運用成績がプラスの時に、一定の準備金を確保して、マイナス運用となった時にその準備金から補填する仕組みも採用しています。

加入対象者

国民年金第1号被保険者でありかつ国民年金保険料の免除を受けていない者、 年間農業従事日数が60日以上行っている者、60歳未満の者は、農業者年金基金に申し出て加入することができます。

加入できる期間は、60歳(60歳に到達する日=誕生日の前日)までとなりますが、60歳に到達する日の属する月の前月分までの保険料を納めることができます。

1. 通常加入(通常保険料)

政策支援を受けない場合の加入で、加入要件を満たした者が加入を申し込むことにより加入することができます。期間に関する要件はなく、例えば、加入を申し込んだ日から60歳で資格喪失するまでの間に保険料を納付できる期間が1ヶ月しかなくても加入することができます。
納付した保険料とその運用益を基礎として、65歳(60歳までの繰り上げ可)から農業者老齢年金が支給されます。

2. 政策支援(保険料の国庫補助)加入

幅広い農業の担い手のうち、老齢時まで長期間農業に取り組み、効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担う望ましい農業構造の確立に寄与する農業者は、農業に関する技術や経営ノウハウの蓄積により、自然環境や経済環境の変動に柔軟に対応できること、また、これにより、安定した農業生産を行い、食料の安定供給に貢献することが期待され、このような者の保険料に係る負担を軽減するため、政策支援(保険料の国庫補助)が行われます。
政策支援を受けた者が、将来受給要件を満たした時に、国庫補助額及びその運用収入を基本とした特例付加年金を受給することとなります。

  1. (1)補助対象者

    次の20年要件・所得要件・年齢要件を満たし、かつ、次表「補助対象者区分」のいずれかに該当する意欲ある担い手が対象になります。
    また、同一経営内の配偶者や後継者も同時に複数で政策支援の対象となります。

    保険料補除については、「基本となる保険料(月額20,000円)」に対し、国庫補助されます。

  2. ■20年要件
  3. 次の3つの期間を合算した期間が20年以上見込まれることが必要です。
    なお、旧制度加入者(脱退一時金又は特例脱退一時金を受給した者を除く。)は旧制度の保険料納付済期間等も合算できます。
  4. ア 政策支援の申し出をした日から60歳までの期間
  5. イ 政策支援の申し出をした日以前における新制度保険料納付期間
  6. ウ 新制度におけるカラ期間
  7. ■所得要件
  8. 必要経費等控除後の農業所得(配偶者、後継者の場合は支払いを受けた給料等)が900万円以下であること
  9. 農業所得(給与所得)の額は、
  10. ア 政策支援の申出日が1月1日-3月31日の場合は、前々年の額
  11. イ 政策支援の申出日が4月1日-12月31日の場合は、前年の額となります。
  12. ■年齢要件
  13. 旧制度の保険料納付済期間等を合算して20年度要件を満たす旧制度加入者の場合にあっては、昭和22年1月2日以降生まれであること。

補助対象者区分

国庫補助額
(特例保険料額)
区分 補助対象者 35歳未満 35歳以上
1 認定農業者で青色申告者 10,000円
(10,000円)
6,000円
(14,000円)
2 認定就農者で青色申告者
3 区分1又は区分2の要件を具備している経営者と家族経営協定を締結し、経営に参画しているその配偶者又は直径卑属
※経営者が農業者年金に加入していなくてもかまいません。
4 認定農業者又は青色申告者のいずれか一方を満たす者で、3年以内に両方を満たすことを約束した者 6,000円
(14,000円)
4,000円
(16,0000円)
5 35歳未満の「区分1・2」の要件を満していない者の直径卑属で35歳まで(25歳未満の者は10年以内)に認定農業者で青色申告者となることを約束した者 -

(  )内の数字は、納付することとなる保険料の額。

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